エコキュートと電気温水器はどう違う?仕組みや特徴を解説
エコキュートと電気温水器はどちらも電気の力でお湯を沸かす家庭用設備機器です。
現在はガス給湯器を使用していて電気温水器やエコキュートに切り替えを検討したくてもどちらが良いか迷われる方もいるかと思います。
また、電気給湯器を使用していてエコキュートへの切り替えた場合にメリットがあるのか気になる人もいるかと思います。
今回は、エコキュートと電気温水器のそれぞれの仕組みや特徴を解説していきます。
どちらを導入するかの参考にしてください。
エコキュートの電気温水器の違い
上記しているように、エコキュートも電気温水器も電気の力を利用して給湯していきます。
しかし、その仕組みは全く異なったものであり価格や得られる省エネ効果も変わります。
ここではそれぞれの特徴を紹介します。
仕組み
エコキュートは空気中に含まれる熱を利用したヒートポンプで水を加熱します。
ヒートポンプは、外気から熱を取り出して加熱し圧縮をすることで温度を上げ、熱交換器で水を加熱します。
エコキュートは熱源として外気を利用することで、少ない電力で済むため電気温水器よりも高い効率でお湯を沸かすことができます。
一方で、電気温水器は電気を金属に通すことによって、電熱ヒーターを使って水を直接加熱してお湯を作ります。
エコキュートとは異なりヒーターで作られる熱エネルギーのみを活用してお湯を沸かします。
参考:エコキュートと電気温水器の違い | はじめてのエコキュート | 三菱 エコキュート | 三菱電機 (mitsubishielectric.co.jp)
導入コスト
給湯器を導入するには、本体の購入と設置の工事を専門業者へ依頼するための費用がかかります。
本体価格はメーカーや容量によって異なりますがおよその費用が以下になります。
エコキュートは本体価格が20万円〜50万円程度、標準工事費が15万円〜25万円程度です。
合計金額は35万円〜75万円程度となります。
そして、電気温水器は本体価格が10万円〜25万円程度、工事費用が7万円〜10万円程度です。
合計金額は17万円〜35万円程度です。
初期にかかる導入コストを比較するとエコキュートは電気温水器の倍程度高くなります。
電気代
エコキュートはヒートポンプで空気中の熱を利用してお湯を沸かすため、電気温水器よりも省電力で済みます。
中国電力エリアでは、パナソニックが公開しているデータ(HE-JPU37KQSに基づく)において電気温水器はエコキュートの約4倍電気代がかかる計算となっています。
参考:低ランニングコスト|はじめてのエコキュート|エコキュート|給湯・暖房|Panasonic
年間で10万円以上の節約にもなるため、エコキュートは非常に省エネ効果が高いと言えます。
電気料金は、契約している電気料金プランや居住地、使用する時間帯、使用している機器の効率などによって変動します。
寿命
エコキュートの寿命は10~15年程度です。
一方で電気温水器の寿命は20年程度でエコキュートよりも長寿命です。
保証期間についてはエコキュートと電気温水器もどちらも同じです。
給湯器本体で2年間、熱交換器やヒーターは3年間、貯湯タンクの缶体は5年間の保証となっています。
また、ユーザーが保証料を負担することによって保証期間を延長できる制度もあり、その場合はメーカー保証期間と延長保証期間を合わせて、合計で5~10年程度の保証を受けられます。
電気温水器とエコキュートを比較したときのメリット
エコキュートと電気温水器の基本的な特徴をそれぞれ紹介していきました。
それではそれぞれを比較したときのメリットを解説していきます。
電気温水器のメリット
エコキュートと比較した際の電気温水器のメリットは以下の通りです。
・設置スペースが狭くてもいい ・寿命が20年ほどとエコキュートよりも交換コストが少なく済む ・稼働音が静か |
エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプユニットを設置する必要があるので十分なスペースを確保しなければいけません。
しかし、電気温水器は貯湯タンクのみで済むため、省スペース性がメリットの一つです。
また、エコキュートの寿命が10年〜15年程度であるのに対して、電気温水器の寿命は20年程度とされています。
電気温水器の導入コストはエコキュートの半分程度で済み、交換サイクルも長くコストはエコキュートと比較して少なくなるのがメリットです。
さらに、電気温水器はエコキュートと比較して稼働音が静かです。
エコキュートは低周波音による訴訟が起こるなど騒音に関するトラブルも少なからず起きています。
電気温水器ではそのような騒音問題は無く、エコキュートのように設置場所に慎重になる必要がありません。
エコキュートのメリット
続いて電気温水器と比較したときのエコキュートのメリットは以下の通りです。
・ランニングコストが非常に低い ・省エネ性能が高い ・非常時に貯湯タンクの水を飲料水として利用できる ・補助金がもらえる場合がある |
エコキュートは電気温水器と比較した場合にランニングコストが非常に安いのが特徴です。
四国電力エリアでは両者で年間約10万円の差が出るなど、エコキュートでは電気代をおよそ1/4に抑えることが期待できます。
エコキュートは導入コストが電気温水器と比較して高くなりますが、ランニングコストの低さで導入コストを回収することができます。
また、エコキュートは電気と空気中の熱を利用してお湯を沸かす仕組みであり省エネ性が高いです。
エコキュートはガス給湯器のようにガスを燃やすこともなく、また消費電力も電気温水器と比較して非常に少ないため、CO2排出量を大きく削減できます。
エコキュートは電気使用量を抑えられることから、電気を発電する火力発電に利用する石炭や石油などの使用量を減らす効果も期待できます。
光熱費を抑えるだけでなく、地球に優しい設備です。
さらに、エコキュートは貯湯式であり非常時には貯湯タンク内の水を利用できます。
断水や電気が使用できない状況でも、タンクに貯蔵した分を非常用水や生活用水として使用できます。
飲用水としてそのまま使うことはできないため、飲用に使う場合には一度沸騰させる必要があります。
そして、エコキュートは、国や自治体によっては導入に対して補助金が出ることもあります。
支給条件や支給額は自治体によって異なるため、お住まいの自治体に確認する必要があります。
エコキュートのデメリット
メリットの多いエコキュートですが、電気温水器と比較した場合に生じるデメリットを解説します。
・設置費用が高い ・お湯を切らすとお湯切れを起こすケースも ・水圧が低くなる ・騒音が気になるケースもある ・設置費用が高い |
エコキュートの設置は、電気温水器よりも多額の費用がかかります。
ただし電気温水器より月々の光熱費が安いため、中長期の費用で比較した際にランニングコストで回収することができます。
補助金も利用し導入費用を抑えることで、費用対効果が逆転するまでの期間も短くなります。
また、エコキュートは貯湯式となっており電気代が安い時間帯にまとめて沸かしたお湯を溜めておく仕組みです。
沸き上げる湯量を減らすことで電気代を抑えることができますが、溜めている湯量以上にお湯を使うとお湯切れになってしまいます。
お湯切れが起こすとお湯を再度沸かすまでに一定時間かかるため、予定どおりに入浴や洗い物が進まないということも考えられます。
日中にお湯切れを起こした場合は、電気料金の高い日中に沸かすことになり電気代もかさんでしまいます。
しかし、エコキュートは普段使用するお湯の量から必要な湯量を自動で計算して沸き上げるため基本的にはお湯切れの心配はないかと思います。
そして、エコキュートは、一般的な電気温水器と比べて水圧が弱いタイプがあります。
貯湯タンクに水を入れる際に減圧弁を使用して水圧を下げる必要があり物足りないと感じる方もいるかもしれません。
水圧が強いのが良い場合は高圧給湯タイプのエコキュートがあります。
水道直圧式というものであれば十分な水圧でエコキュートを利用可能です。
もしくはシャワーヘッドを変えることで水圧を調整することもできます。
さらに、エコキュートは電気温水器に比べて稼働時の音がやや大きく、機種にもよりますが40db程度の音が発生します。
40dbというと図書館や閑静な住宅地に相当する音で、音の大きさはそこまで気にする必要はないかもしれません。
静まった夜間に沸き上げを行うことの多いエコキュートですので敏感な方には不快感や大きく聞こえる可能性があります。
エコキュートを設置する際には、寝室から離れた場所やご近所に近すぎない場所に設置するなどの対策をしておくのをお勧めします。
まとめ
今回はエコキュートと電気温水器の違いについて解説してきました。
電気温水器は導入コストがエコキュートよりも安く、交換時期も長く交換コストも安く済みます。
しかし、エコキュートは省エネ効果が高いため日々の電気代を抑えることができるため十分に回収できることが期待できます。
エコキュートにもデメリットはありますが、高圧タイプにするなどによりカバーすることができます。
非常時には生活用水として貯湯タンク内のお湯を使用できるなどもしもの時にも活躍してくれます。
その他にも生活をより快適にしてくれる機能も豊富に出てきているためエコキュートのほうが総合的にお得かとも思います。
安心堂ではご自宅に合うエコキュートのご提案をさせていただきます。
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