おひさまエコキュート向け:東電の「くらし上手」を分かりやすく解説
近年では、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入・拡大という、省エネルギー化が進展してきています。
自然災害による防災・安全への意識の高まりもあり、カーボンニュートラルの変革への取り組みも標準化されてきました。
家庭分野でも、太陽光で電気を「つくる」「ためる」「つかう」とい新しい生活モデルへ変わりつつあります。
東京電力の「くらし上手」という、おひさまエコキュート専用の電気料金プランは、昼間に発電された再生可能エネルギーの電気を有効活用することが可能です。
今回は、「くらし上手」がどういうプランなのか、解説していきたいと思います。
おひさまエコキュートとは
参考:おひさまエコキュート|ダイキン工業株式会社 (daikin.co.jp)
おひさまエコキュートとは、太陽光発電の電気を利用してお湯を沸き上げるヒートポンプ給湯器のことを指します。
通常のエコキュートよりも電気代の節約ができて、余剰電力を有効活用できる非常にお得なエコキュートです。
おひさまエコキュートについての細かい説明やメリット・デメリットの解説は別の記事でご紹介していますので、そちらも参考にしてください。
参考:【最新】おひさまエコキュートとは?特徴やメリット・デメリットを解説 – エコキュート取り換え専門店【安心堂】 (anshindo.site)
東京電力の新料金プラン「くらし上手」
「くらし上手」とは太陽光発電システムと「おひさまエコキュート」の両方を使用している方を対象に、毎日のくらしを太陽光発電でまかないながら、足りない時も安心して電気を使える料金プランです。
ここからは「くらし上手」の特徴や料金について解説していきます。
参考:くらし上手|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社 (tepco.co.jp)
「くらし上手」の特徴
通常のエコキュートでは、主に電気料金の安い夜間の時間帯にお湯を沸かして貯めておくものでした。
一方で、「おひさまエコキュート」は昼間時間帯に太陽光発電で発電した電気でお湯を沸かすことを前提となります。
通常のエコキュートであれば、オール電化向けのプランで夜間の安い時間帯に沸かしていたものが昼夜逆転しています。
料金設定の特徴としては、他のオール電化向けプランや従量電灯プランなどは基本的に「1kWhあたり●●円」で電気代が計算されます。
しかし、「くらし上手」は毎月120kWhまでは定額料金になっており、その範囲であればいくら使っても電気代は同じになります。
120kWhまでの定額料金は3,694.40円/月となり、120kWhを超えたら「1kWhあたり30.92円」で計算されます。
ご家庭の設備に合わせ、「S・L・X」3つのプランから選択します。
・くらし上手 S:アンペアブレーカーまたは電流を制限する計量器による契約(10〜60A)
・くらし上手 L:主開閉器の容量に応じた6kVA以上の場合の契約
・くらし上手 X:ブレーカーの容量を問わず、電気の使用実績に基づき契約の大きさを毎月決定
「くらし上手」に付随するメリット
「くらし上手」への加入に伴い、住宅設備修理サービスを受けることができます。
おひさまエコキュート、IHクッキングヒーターなどの対象機器が自然故障した際に無料で修理を行ってくれます。
最大50万円まで自己負担なしで、設置・購入から10年以内の機器が対象となり、台数や回数の制限もありません。
24時間365日受付してくれて安心です。
外的要因や劣化はもちろんですが災害や施工不良が原因の故障は対象外となりますので注意してください。
また、「くらし上手」はおひさまエコキュートの導入が必須となりますが、おひさまエコキュートは設置・交換で最大22万円の補助金制度があります。
東京都限定とはなりますが、太陽光発電をすでに設置している方が、エコキュートを新設・更新すると、機器費・工事の1/3(最大22万円)を補助する、という内容です。(2023年8月現在)
参考:令和5年度 熱と電気の有効利用促進事業「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」
補助金についての詳しい説明は別の記事で解説していますので、そちらも参考にしてください。
参考:エコキュート設置に最高22万円の補助金!クール・ネット東京が3分で分かる – エコキュート取り換え専門店【安心堂】 (anshindo.site)
東京電力グループの機器定額利用サービス「エネカリ」「エネカリプラス」
太陽光発電やおひさまエコキュートは、長期的に見ると非常にお得な家庭用設備品です。
しかし、興味はあるけれど、初期費用が高いために導入を悩まれている方は多いかと思います。
そのような方向けのサービスとして、東京電力グループが展開する「エネカリ」「エネカリプラス」といった定額利用サービスがあります。
定額利用を活用することで初期費用を抑えて太陽光発電やおひさまエコキュートを導入することができます。
しかし、トータルでは割高な面もあり、総合的に判断する必要があります。
途中解約はできず、トータルでは割高など注意点もありますので、長期的なプランを検討してください。
電気を作って活用する時代
「下がる」売電価格と「上がる」電気代
太陽光発電の固定価格買取制度において、電気の売電価格は年々下がっています。
制度の開始当初の2009年度に「48円」だった買取価格は、2023年度には「16円」になりました。(電力会社により一部価格は異なります)
固定価格買取制度終了後(卒FIT)の買取価格は8〜11円ほどですが、制度適用時でさえその低い買取価格に近づいてきているのが現状です。
このように売電価格が下がる一方で、ガス代・電気代はますます高騰しています。コロナ禍による経済活動の停滞、LNG原産国ロシアの社会情勢、脱炭素社会促進、円安などさまざまな要因が重なり、今後も電気代の上昇は続く見込みです。
太陽光発電とおひさまエコキュートがあれば、光熱費を気にすることなくお湯をつかうことができます。
電気を自給自足できて安心
買電における心配ごとは、電気料金の上昇だけではなく、電力需給逼迫が懸念されていることもあります。
猛暑の中で停電となり冷房が使えない、寒い冬場に停電すると、暖房や給湯が一切使えない、という状態になればとても不便になります。
また、小さなお子さんやお年寄りの方には命の危険ともなり得るものです。
そんなとき、お家に太陽光発電システムとおひさまエコキュートがあれば、昼間はいつも通りに電気を使用できて、夜に備えてお湯を貯めておくことができます。
さらに太陽光発電とおひさまエコキュートに加え蓄電池があれば、お家での電気の自給自足はますます盤石なものになります。
卒FIT後の電気の有効活用
太陽光発電の売電価格は10年の買取期間が終了すると大幅に低下してしまいます。
買取先の電力会社や条件により多少変動しますが、現在の相場は8〜11円です。
低い価格で売電するよりも、自家発電した電気は自家消費する方が経済的です。
卒FIT後の対策として、事前に蓄電池やエコキュートを導入される方も少なくありません。
太陽光発電は、発電時に環境にかかる負荷がほとんどないクリーンエネルギーです。
そんな太陽光発電で発電した電気を蓄電池に貯め、必要なときに使えるようにすることで、お家の電気を自給自足することができます。
まとめ
今回は東京電力の「くらし上手」について解説してきました。
電気料金は年々上昇していて、今後も上がっていくことが予測されています。
太陽光発電やおひさまエコキュートを導入して使用する電気を自宅で賄うことで光熱費を節約することができます。
導入された方や、これから導入を検討している方は電気料金プランを「くらし上手」にすることで、自家発電で賄えない分をお得に使用することができます。
生活スタイルや日々の使用量に応じて最もお得になるプランは変わってきますので、事前によく検討をしてください。
安心堂ではご自宅にあったエコキュートのご提案から行っています。
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