エコキュートをやめたい人がいる理由:ガスに戻すとどうなる?
エコキュートのような高級な住宅設備品は、訪問販売などで販売されることも多いです。
その結果、商品のことをよく理解できていないままエコキュートを設置してみたけども、ガスに戻したいと考える人も少なくないようです。
今回はエコキュートを導入したけどもやめたい人の主な理由と、ガス給湯器に戻したときどうなるかを紹介していきます。
交換時期に近付いてきていてエコキュートをやめるか検討されている方は、ぜひご確認ください。
エコキュートをやめたい理由は
交換費用が高い
エコキュートの交換費用はメーカーや容量によって差はありますが、およそ35~60万円ほどかかります。
一方でガス給湯器の場合、交換費用はおよそ15万円程度です。
比較するとガス給湯器はエコキュートの半分以下の費用で収まります。
そして、エコキュートもガス給湯器もどちらも交換時期は10年でおよそ変わりません。
どちらも同じ時期に交換が必要で高額な費用がかかるためエコキュートは家計の負担が少ないとは言えません。
電気代の高騰
エコキュートをやめようと考えている人の多くが、電気代の高騰によるものだと思います。
電気の力でお湯を沸かす給湯器がエコキュートです。
深夜の電力単価の安い料金プランを活用し安い時間帯でお湯を沸かすことで、給湯にかかる費用を抑えています。
深夜の電力が安いプランは昼間の電気代が高くなるのがほとんどです。
テレワークの導入や家族が増えたりすることで日中の電気使用量が増え電気代が高くなってしまうことがあります。
また、燃料調整費が電気代の高騰の原因ともなっています。
燃料調整費は火力発電で使用する天然ガスや原油などの化石燃料の調達にかかる費用を調整するためのものです。
原油などほとんどを輸入している日本は市場価格の変動を受けやすいです。
そして、電力会社は化石燃料の購入費用を一定の範囲内で電気代に反映することができます。
ロシアとウクライナの戦争や円安の影響を受けて燃料費がかなり高騰しています。
燃料調整費が設定の上限に達した後も一部の電力会社では上限が引き上げられるほど燃料費が高騰している状況です。
また、燃料調整費は電気使用量が多いご家庭ほど電気代が高くなるような仕組みになっています。
電気の使用量の多いオール電化住宅ではその影響を受けてしまいます。
光熱費を安くするのが目的でエコキュートを購入したのに実感できない人もいるかと思います。
関連記事:【2023年4月最新】電気代を抑えるエコキュートの使い方
お湯がすぐに出ない、お湯がぬるい
エコキュートは屋外に設置している貯湯タンクから配管を通してお湯が出てきます。
お湯が出るまでに時間がある上に、配管が長いご家庭では配管を通る過程で熱が放出されてぬるくなってしまいます。
寒冷地においては、思ったよりもお湯がすぐに出なかったりぬるかったりするのが受け入れられないこともあるようです。
お湯切れを気にするのがストレス
エコキュートは貯湯式の給湯器です。
大きなタンクにお湯を貯めて使用していきますが、一度に多く使用すると再度沸き上げが必要です。
沸き上げ中はお湯の使用ができないので、残りのタンク内の湯量を気にしながら使用するのはストレスになります。
使用量に合っていないタンクの容量を購入した、もしくは購入当初より使用量が増えた場合の人が多いようです。
関連記事:エコキュートの貯湯タンク:容量・サイズはこう選ぶ!
騒音が気になる
エアコンや自動販売機などにも使用されている「ヒートポンプ」でお湯を沸かします。
ヒートポンプからは沸き上げの際に約12~13Hz程度の低周波音が発生します。
付近に物や壁がある場合、低周波音の反響や共振がおこることで騒音に感じるほどになることがあります。
音や振動などに敏感な人は気になって眠れないこともあるようです。
また、ご近所トラブルの元になりエコキュートをやめる人もいるようです。
関連記事:エコキュートの騒音の大きさはどれくらい?対策や設置のポイントも
エコキュートからガス給湯器に戻すことは可能か
エコキュートからガス給湯器に戻すことは結論から言うと可能です。
エコキュート導入前にガス給湯器を使用されていた場合は、配管などを再利用して設置できますが大がかりな作業になるので費用もかかります。
新築からエコキュートを設置していた場合はガス管の引き込み工事も必要でさらに時間と費用がかかります。
エコキュートからガス給湯機に戻すのにかかる費用 | |
ガス給湯器代 | 15~25万円 |
配管つなぎ直し費用 | 5~10万円 |
エコキュート処分費 | 2~4万円 |
ガス管引き込み工事費 | 15~20万円 |
ガス給湯器に戻すとどうなるか
ガス給湯器に戻した場合のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
交換費用が安い
エコキュートの交換費用は本体価格と工事費を合わせておよそ35~60万円かかります。
ガス給湯器は15~25万円程度で交換できるので安く交換ができます。
エコキュートからガス給湯器に戻す際もガス管が通っていれば40万円ほどで完了できます。
10年ごとにかかる費用と考えると負担が少なくなります。
お湯切れの心配がなくなる
ガス給湯器はエコキュートと違いお湯を貯めず水道水を瞬間的に加熱してお湯を沸かします。
水とガスがあれば使用湯量に関わらずお湯切れの心配がなくなります。
残湯量を気にする必要がなくなり、ストレスも軽減されます。
騒音トラブルがなくなる
ガス給湯器の場合、エコキュートのようなヒートポンプから発せられる低周波音がないので音や振動に敏感な人、ご近所トラブルがあった人には安心して使用できます。
デメリット
長期的に見るとコストが高い
エコキュート最大のメリットはランニングコストの安さです。
エコキュートはガス給湯器と比較すると光熱費が年間5万ほど安くなります。
参考:電気料金について|エコキュート|ダイキン工業株式会社 (daikin.co.jp)
エコキュートとガス給湯器では、どちらも10年間使用すると単純計算で50万円近く光熱費に差が出ます。
使い方や加入する電気料金プランなどで差はありますが、エコキュートの交換にかかる費用を考えてもお得になります。
災害時の復旧に時間がかかる
地震などの大規模災害が発生してライフラインが止まった場合、電気・水道・ガスの順で復旧が早いと言われています。
電気と水道が復旧すればエコキュートであれば給湯が可能です。
また、エコキュートの場合は貯湯タンク内に水やお湯がたまっているので、断水時にも非常用コックから水を取り出して使用することが出来ます。
災害時はエコキュートのほうが心強いです。
関連記事:災害時の強い味方!?エコキュートは停電や断水の時でも使えるの?
電気料金の割引がなくなる
オール電化でエコキュートを使用している場合は、電気代を5%割引している電力会社が多いです。
エコキュートからガス給湯器に戻した場合、このオール電化割引は適用されなくなります。
オール電化の場合はその点も忘れずに検討する必要があります。
比較するとエコキュートがお得
エコキュートとガス給湯器の交換費用を比較するとガス給湯器の方が低コストで済みます。
しかし、全体的なコストを抑えられるのはエコキュートです。
エコキュートはランニングコストを抑えられてガス代の基本料の増加を防げます。
また、災害時の電気の復旧はガスよりも早く貯湯タンク内の水やお湯が使用できてエコキュートの方がメリットは多いです。
お湯切れが気になる人も、交換する際に一つ上の貯湯タンク容量を検討しても良いかもしれません。
音や振動のトラブルは、交換時に設置場所を変えることで解決できる場合があります。
また、生活スタイルの変化に伴う電気代の増加も、電気料金プランを見直すことで解決することがあります。
昼間に安くなる電気料金プランも出ていてエコキュートをやめなくても安く抑えられるかもしれません。
また、電気代の高騰を理由にガス給湯に変えたとしても、ガス代も同様に高くなってきているので思ったよりも費用を抑えられない可能性もあります。
まとめ
今回は、エコキュートからガス給湯器に戻せるか、ガス給湯器に戻すメリットやデメリットなどについて解説しました。
まとめると、
・エコキュートからガス給湯器に戻すことは可能だが、エコキュートで使用してきた機能や割引サービス、光熱費の節約ができなくなる。
・1回の工事費や交換費用だけ見るとガス給湯器が安いが、長期的に見るとエコキュートがお得。
・エコキュートの不満も貯湯タンクのサイズを変えたり、場所を移動させたり、電気料金プランを変更により解決できる可能性がある。
ガス給湯器に戻す前に、メリット・デメリットを踏まえながら総合的に判断することをお勧めします。
給湯器は一度設置すると10年単位で長く使い続けるものなので、すぐに修理やメンテナンスが依頼できる地域密着型の店舗がおすすめです♩
施工のお見積もりは無料でさせていただいておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。