エコキュートの基礎工事はなぜ必要?打ち基礎とエコベースの違いも解説
エコキュートを設置する際に欠かせない基礎工事。
重たく巨大な貯湯タンクをしっかり支えるために必要となる、大切な工程です。
ただ、エコキュートの機種についてはよく調べていても、基礎工事についてはあまり知らない…という方が多いのではないでしょうか。
ほとんどの方が、施工会社に完全にやり方を任せていることと思います。
しかし、残念ながら中には手抜き工事をする施工業者がいることも事実です。
エコキュートの基礎工事に関する基本的な知識を身につけておくことで、手抜き工事を見抜いて対処することができます。
そこで本記事では
・エコキュートの基礎工事について
・注意すべき手抜き工事
・エコキュートの基礎工事の種類
などについて詳しく解説しました。
工事の手順やエコキュートの設置工事にかかる費用の目安なども解説しているので、エコキュートの導入を検討している方はぜひ参考にしてください!
1.エコキュートの基礎工事とは?
エコキュートの基礎工事とは、エコキュートの下にコンクリートの基礎を打つ工事のことを指します。
エコキュートを新たに設置する際、いきなりエコキュート本体を地面に置くのではなく、まずはエコキュートを置くための土台作りから始めるのです。
それでは、なぜエコキュートの基礎工事が必要なのでしょうか?
ここでは、その重要性について詳しく説明していきます。
1-1.基礎工事の必要性
エコキュートの基礎工事を行わなければいけない理由は、エコキュートの機種本体が非常に重たいという点にあります。
特に、沸かしたお湯を貯めておくための貯湯タンクは、空っぽの状態で60〜90kgとなっており、満水時には400〜600kgと大変重たくなります。
もし、貯湯タンクが満水状態の時に地震や強風で倒れてしまった場合、すぐ側に誰かがいたら大怪我に繋がりかねません。
また、周囲の塀や壁も破損してしまうでしょう。
そのような事態を防ぐために、最初にしっかりとエコキュートの基礎を作っておく必要があるのです。
1-2.定められている転倒防止策の基準
貯湯タンクを設置する際に転倒防止措置を施すことが、平成25年4月1日に義務化されました。
基礎工事を行う際は、国土交通省の定めた基準に沿って進める必要があります。
最低限守らなければならない転倒防止策の基準は以下の通りです。
・コンクリート基礎であること
・アンカーボルトの種類や数が設置場所や貯湯タンク容量に適していること
例)貯湯タンクの質量が350〜650kgで1階に設置する場合
→直径12mm以上のアンカーボルト:3本以上
→直径10mm以上のアンカーボルト:4本以上
アンカーボルトとは、コンクリートに打ち込んでエコキュートを固定させるためのネジのことです。
アンカーボルトが適切に打たれていることも、エコキュートを安全に使用し続けるための必須条件となっています。
参考:独立行政法人 国民生活センター「地震に備えてしっかり固定を!」
2.手抜きの基礎工事に注意
エコキュート転倒を防止するために重要な基礎工事ですが、中には手抜き工事をする業者も存在しています。
基礎工事が以下のような状態であれば、手抜き工事と見て間違いありません。
・土の地面に直置きしている
・コンクリートの板やブロックを並べただけ
・エコベースの中央にコンクリートを流していない
・アンカーボルトで固定していない
・基準より細いアンカーボルトを使用している
エコキュートを地面に直置きしている場合は論外です。
不安定で危険なのはもちろんですが、地面からの湿気でエコキュート内部が錆びつき、故障してしまう恐れがあります。
また、コンクリートの基礎を用意しても、アンカーボルトを打たなければ対策は不十分です。
実際に、アンカーボルトなしの状態だと震度6弱の揺れで貯湯タンクが転倒してしまうことが、国民生活センターの実験で明らかになっています。
参考:独立行政法人 国民生活センター「地震に備えてしっかり固定を!」
貯湯タンクの基礎部分を確認してみて、「手抜き工事かもしれない」と感じたら、すぐ施工を担当した業者に問い合わせて対策をとってください。
これからエコキュートの導入をするという方は、業者のHPにある施工実績を見ることで、しっかりとした工事を行なってくれるかを事前に確認することができます。
業者選びをする際のよい判断材料となるでしょう。
■安心堂の基礎工事の施工実績はこちら
・岡山県浅口市 K様邸
・岡山県笠岡市 M様邸
3.基礎工事の種類
エコキュートの基礎工事には、「打ち基礎」と「エコベース」の2つの種類があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自宅に合う方法で基礎工事をしたいという方はぜひ参考にしてください。
3-1.打ち基礎(現場打ち)
現場打ちとも呼ばれる打ち基礎は、地面にコンクリートを打ってエコキュートを設置するための土間のようなスペースを作成します。
コンクリートに直接アンカーボルトを打ち込むため、非常に強い強度を生み出すことが可能です。
メリット
■外観が美しい
設置するエコキュートのサイズに合わせて作ることができるので、スッキリとした見た目に仕上げることができます。
エコキュートの配管もコンクリートの中に収納できるので、住宅の外観にこだわりたい方は打ち基礎がおすすめです。
デザイン性を重視するハウスメーカーも、この手法をよく取り入れています。
■設置場所の自由度が高い
打ち基礎は、地盤が弱いところにも強い基礎を作り上げることが可能です。
また、既製品と違って高さや大きさも自由に決められるのも魅力の1つ。
設置スペースが狭く、既製品のエコベースが置けない場合でも、打ち基礎であれば対応できる場合もあります。
デメリット
■工事費用が高い
打ち基礎の施工には高い技術を要するため、工事費用がエコベースに比べて高額です。
打ち基礎はコンクリートを流す前に、施工箇所に穴を掘って砕石を施し、地盤を固める作業からスタートします。
また、厚みを調整するための繊細な作業も必要です。
工数が多い分、どうしても工事費用は高くなるので、打ち基礎を希望する方は余裕を持った予算組みをするようにしましょう。
■時間がかかる
打ち基礎はコンクリートをしっかり固める必要があるため、基礎工事の完了までに1週間ほど時間を要します。
「なるべく早くエコキュートを使いたい」という方には対応できないので注意が必要です。
3-2.エコベース(基礎ブロック・簡易基礎)
画像引用:東洋ベース株式会社
エコベースとは、既製品の基礎ブロックのことです。
難しい工程を省いて工事ができるように開発された商品で、しっかりとした強度を確保しつつも、打ち基礎より簡単に施工することが可能となっています。
メリット
■工事費用が安い
エコベースは商品自体が1万〜4万円ほどと安く、工事内容も簡単です。
打ち基礎の10分の1程度の値段で施工することができるので、多くの施工業者に選ばれています。
■時間がかからない
エコベースを使用すれば、その日のうちに基礎工事が完了してしまいます。
打ち基礎のように、コンクリートが固まるまで数日間待つ必要がないので、設置を急ぐという方はエコベースを使った基礎工事を選びましょう。
デメリット
■寸法に制限がある
エコベースは既製品という特性上、貯湯タンクに合わせてサイズを調整するということができません。
エコベースは基本的に、どんなメーカーのエコキュートにも対応できるよう、少し大きめに作られています。
場合によっては、貯湯タンクを置くスペースはあるのにエコベースは置けない…ということもあるでしょう。
■設置場所を選ぶ
エコベースは、地盤が緩すぎる場所には設置することができません。
打ち基礎よりも設置場所を慎重に選ぶ必要があり、好きな場所に置けないこともあるため注意してください。
4.基礎工事の手順
ここからは、基礎工事の流れを簡単に説明していきます。
打ち基礎
1.貯湯タンクのサイズに合わせて穴を掘る
2.木枠を作成する
3.穴に砕石を敷き詰める
4.コンクリートを流し入れ表面を綺麗にならす
5.1週間ほど固める
打ち基礎の工事では、コンクリートをしっかり固めて強度を出すのが大切なポイントです。
エコベース(枠組工法の場合)
1.砂利を敷いたりコンクリートを流し入れたりして、設置箇所を平らにする
2.エコベースのブロックを設置する
3.枠となるプレートを取り付ける
4.アンカーボルトを打ち込んでモルタルを流し入れる
5.ブロックの間にコンクリートを流し入れ、表面を綺麗にならす
この他に、コンクリートを使わず専用のブロックを積み上げて基礎を作るタイプのエコベースもあります。
5.エコキュートの工事費用の目安
エコキュート設置の工事費用は10〜20万円ほどが目安となっています。
ここにエコキュート本体の値段が加わるので、総額で40〜50万円になるのが一般的です。
もちろん、最新モデルの機種を選んだり、工事で配管の延長や分電盤の交換などが発生したりすると、工事費用は上がっていきます。
また、基礎工事が打ち基礎かエコベースかによっても変わってくるでしょう。
ただ、工事費用や機種の販売代金は業者によって異なります。
本格的な依頼をする前に、複数社から相見積もりを取って、価格と施工内容をしっかり見比べることが大切です。
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6.基礎工事が必要ないケース
以下のような場合は、基礎工事を新たに行う必要はありません。
・電気温水器からエコキュートに交換
・エコキュートからエコキュートに交換
電気温水器は、ガス給湯器やボイラーと違って、エコキュートと似たような貯湯タンクを使用します。
電気温水器から交換する場合は、元々使用していた基礎をそのままエコキュートに転用することが可能です。
新しいエコキュートの貯湯タンクのサイズが大きく、基礎の面積が足りない場合は、増し基礎という工事を行なって基礎のサイズを広げます。
ただ、コンクリートがひび割れていたり、劣化が激しい場合は、新たに基礎を作り直さなければなりません。
基礎を作り直す場合は工事費用が大きく変わってしまうため、新しいエコキュートを導入する前に基礎工事が別途必要かどうか業者に確認すると安心です。
7.エコキュート設置のご相談はぜひ安心堂へ
エコキュートの基礎工事は、重たい貯湯タンクを支え、地震などによる転倒を防ぐための大切な工事です。
ご自宅のエコキュートの基礎に違和感を覚えた方は、ぜひ施工業社に連絡をして確認と対策を行なってもらうようにしてください。
これから新しくエコキュートを導入される方は、気になる業者の施工実績などを見たり、どのように基礎工事を行うか質問したりして、信頼できる施工業社を選ぶことがポイントです。
安心堂では、施工実績豊富な自社スタッフが丁寧に基礎工事を行なっています。
下請け業社を通さない分、工事価格も安く抑えることが可能です。
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