太陽光発電ってどんな仕組み?基礎知識を分かりやすく解説
電気料金の値上がりが続く中で、電気会社からの買電を減らそうと太陽光発電を導入するご家庭も増えてきました。
太陽光発電が日光で発電をするものとは知られていますが、どのように発電するかの詳しい方法については知らない方も多いかと思います。
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私たちのコラムでは、エコキュートに関する情報や知恵袋をご紹介します。
今回は「太陽光発電ってどんな仕組み?基礎知識を分かりやすく解説」についてご紹介いたします。
太陽光発電と組み合わせるとより省エネ効果の高いおひさまエコキュートについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電とは、太陽の光を利用して電気を作る発電方法ですが、具体的には「太陽電池」をたくさん集めた「ソーラーパネル」を使用して電気を作ります。
太陽電池とは、電力を蓄える一般的な「電池」ではなく、太陽光エネルギーを電力に変換する「発電機」のことです。
太陽光が太陽電池に当たると、「光電効果」と呼ばれる現象が起こります。
太陽電池は、「n型半導体」と「p型半導体」という2種類の半導体をはり合わせて作られています。
この太陽電池に光が照射されると、n型半導体にはマイナスの電気を帯びた「電子」が、p型半導体にはプラスの電気を帯びた「正孔」が集まり、プラス極とマイナス極が形成されます。
電子が導線を伝わって移動するようになるため電気の流れが生じます。
これが太陽光発電で電気を発生させる仕組みです。
参考:太陽光発電システムの仕組み | 太陽光発電・蓄電池 | 京セラ (kyocera.co.jp)
また、太陽電池の最小単位を「セル」、複数のセルを組み合わせてパネル状に加工したのを「モジュール」と呼びます。
モジュールは「ソーラーパネル」や「太陽光パネル」「太陽電池パネル」とも呼ばれます。
太陽光発電における1日の発電量
太陽光発電では1日にどのくらいの発電量を得ることができるのでしょう。
理論上の目安や、実際の発電量について詳しく解説します。
太陽光発電における発電量の算出方法
太陽光発電協会(JPEA)によると、ソーラーパネルの「システム容量」1kWあたりの発電量は年間で約1,000kWh、1日だと約2.7kWhが目安とされています。
システム容量は「出力容量」や「発電容量」とも呼ばれ、ソーラーパネルがどれだけ発電できるかを表す数値であり、単位はkW(キロワット)です。
また、kWhは「1時間あたりに得られる発電量」の単位であり、出力容量(kW)×時間(h)で算出されます。
なお、ソーラーパネル1枚の公称最大出力は250W程度です。
ただし、太陽光発電において、これらの数値はあくまで目安であり、実際は地域や季節、ソーラーパネルの種類、また経過年数によっても発電量は変動します。
〈太陽光発電で発電量を左右する要素〉
・システム容量:使用するソーラーパネルの性能・枚数によって決まる
・日射量:設置場所や角度、季節、天気、地域等によって決まる
・システム上発生するロス:パネルや季節によって異なる
一般家庭の太陽光発電で得られる発電量
一般家庭の太陽光発電で使われるソーラーパネルの多くは、システム容量が3~5kW程度となっています。
家庭用の太陽光発電では、屋根の上に載せられるソーラーパネルの量や、家庭内での電気の使用量、設置費用などにより発電容量が決まります。
家庭用(住宅用)のソーラーパネルのシステム容量は10kW未満と決められていて、10kW以上のものは産業用(事業用)です。
特に、広大な土地にソーラーパネルを大量に並べて発電する「メガソーラー」のシステム容量は1,000kW以上で、家庭用とは規模が異なります。
太陽光発電だけで1日に必要な電気は足りる?
太陽光発電で発電した電気は、通常、蓄電池などがないと貯めておくことができません。
そのため、実際に太陽光発電で作った電気だけで1日分の使用電力量すべてをカバーすることはできません。
一般家庭の電気使用量の平均は年間4,300kWh程度なので、ソーラーパネルのシステム容量1kWあたり年間1,000kWhとすると、4.3kW分のソーラーパネルを設置すれば、おおよそ年間の消費量分の電力を発電できることになります。
太陽光発電に必要な機器
太陽光発電の機器というと、ソーラーパネルがまず思い浮かべるかと思います。
しかし、実際にはソーラーパネルだけでは、太陽光発電で作った電気を家庭で使用したり売電したりはできません。
太陽光発電を行うときは、おもに以下の機器を使用します。
※実際のシステムでは、メーカーなどによりモニター類や電気配線関連の部品などが必要です。
・ソーラーパネル(太陽電池モジュール)
・パワーコンディショナー
一般的にはこのような機器を接続して太陽光発電システムを構成しています。
それぞれの機器が果たす役割は以下です。
ソーラーパネル
ソーラーパネルは、太陽電池を複数集めアルミ枠に入れて大きなパネル状にした製品です。
太陽光パネルや太陽電池板、太陽電池モジュールなど呼ばれ方もさまざまです。
ソーラーパネルに太陽光が当たることで、内部の電子が移動して電気が作られます。
ソーラーパネルに近づいてよく見ると、小さな四角いパネルがたくさん組み合わさり構成され、一番小さなパネルが太陽電池です。
パワーコンディショナー
パワーコンディショナーは、太陽光発電システムで作った「直流」の電気を、家庭内での使用や売電ができる「交流」の電気に変換するための機器です。
太陽光発電で作られた電気は「直流電流」と呼ばれるもので、そのままでは家庭で使うことができません。
ソーラーパネルで発電した電気をエアコンや冷蔵庫などの住宅の電気として利用するには、パワーコンディショナーが必要になります。
さらに、パワーコンディショナーには、電力会社の電力系統に停電などの異常があったときに、太陽光発電で発電した電気を電力会社の電力系統に流さない「系統連系保護機能」という、安全上大切な機能も搭載されています。
蓄電池を利用すればもっとおトクに
「太陽光発電で作られた電気は、基本的に貯めておくことができない」ものでした。
この「基本的にできないこと」を可能にするのが、蓄電池です。
蓄電池と太陽光発電を組み合わせると、昼間発電した電力を貯めておいて夜間に使うことができます。
また、蓄電池があれば災害時の停電に備えることが可能です。
ただし、貯めておける電気の容量や耐用年数は、それぞれの蓄電池によって異なります。
太陽光発電と組み合わせてより省エネになる「おひさまエコキュート」
「おひさまエコキュート」とは、太陽光発電設備を併設する家庭向けにダイキンが2022年2月に販売開始した、電気の自家消費を促進するために開発されたエコキュートです。
「おひさまエコキュート」は「エコキュート」と同様に関西電力(株)の商標登録で、ダイキンのほかパナソニックや三菱、コロナより発売されています。
太陽光でお湯を沸かすことが前提
従来のエコキュートの場合、導入に合わせて夜間電力の安い特定の電気料金プランに加入し、割安な電気を利用して深夜にお湯を沸かします。
太陽光発電が設置されている場合であっても、沸き上げの電気すべてを太陽光発電でまかなうのではなく、夜間の湯沸かし量をセーブしつつ昼間にも太陽光の電気で沸き上げを行う、といった使い方が基本でした。
一方おひさまエコキュートは、お家の太陽光発電でつくられた電気を使って日中にお湯を沸かすことを前提に設計されています。
お湯を沸かす時間が変わり、さらに効率的に
おひさまエコキュートは、発電量の多い昼間につくられた余剰電力を使ってお湯を沸かします。
エコキュートといえば電気料金の安い深夜から早朝にかけてお湯を沸かすもの、というこれまでの常識が覆されてしまいました。
お湯を沸かす時間帯が変わったことで、以下のようなメリットが生まれました。
昼間に沸き上げる=効率よくお湯を沸かせる
エコキュートは外気の熱を利用してお湯を沸かします。
夜間より気温の高い昼間に稼働することで、少ない電気でより効率よくお湯を沸かすことができるようになりました。
昼間に沸き上げる=放熱ロスを軽減できる
従来のエコキュートは、深夜に翌日分のお湯を沸かします。
ライフスタイルにもよりますが、沸かしたお湯を主に使うのは夕方以降の晩ごはんの支度や帰宅後のお風呂の時間になる方が多いかと思います。
昼にお湯を沸かすおひさまエコキュートなら、沸き上げたお湯を使うまでの時間が短く、放熱ロスを低減することができます。
家計にも環境にもやさしい給湯器
おひさまエコキュートは昼間に自家発電した電気でお湯を沸かすので、天候の悪い日を除けば給湯光熱費はほぼ0円になります。
東京電力管轄地域であれば、おひさまエコキュート専用の新たな電気料金プラン「くらし上手」を活用することで、より経済的に電気を購入できます。
おひさまエコキュートは発電量の少ない天候の悪い日にも、予め設定された昼間の沸き上げ時間帯に沸き上げを行います。
その際は契約中のプランに則り電力を購入・使用することになります。
おひさまエコキュートの導入および「くらし上手」への加入には太陽光発電設備が必須です。
設備費用の総計はかなり大きなものになってしまいますが、お湯を沸かすために使う電気をほぼ自給自足できるため、毎月の給湯光熱費を大幅に削減することができます。
まとめ
今回は太陽光発電の仕組みについて解説してきました。
太陽の光を利用して発電することで、電気会社から買うことなく電気を使用できます。
また、おひさまエコキュートを組み合わせることで、日中の余剰電力を上手に活用してお湯を沸かすことができます。
環境にだけでなく電気料金を抑えることができお財布にもやさしいシステムです。
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