エコキュート:シャワーの水圧を強くしたい!これで解決◎
エコキュートを導入してシャワーを使用していると、お湯のときだけ水圧が弱いなど感じる場合があります。
シャワーの勢いが弱いと上手く汚れが流せなかったり、流すのに時間がかかったりなど、ストレスになります。
今回はそんなシャワーの水圧が弱くなる原因と解決方法について解説していきます。
水の出が悪いときに最初に確認すること
シャワーからの湯水の出が悪いときに、原因を確認できる4つをご紹介します。
これらをチェックするだけで簡単に水圧が直る場合がありますので、勢いが弱いと感じたときにまず確認してみてください。
給湯器の温度設定を確認する
給湯器の温度設定が50〜60℃で設定されていないときは50〜60℃に設定しましょう。
サーモスタット式混合水栓(自動温度調節機能が内蔵されているタイプ)は、給湯器からの湯と水を混合して温度調整をしています。
40℃のお湯を出すのに給湯器の温度設定が40℃付近だと、給湯器からのお湯ばかり流れることになり、流量が限られてしまいます。
給湯器の温度設定を50〜60℃にすると、給湯器からのお湯と水を混合して吐水するので、流量が増え、シャワーの勢いが上がります。
給湯器に接続されている水栓金具がサーモスタット式混合水栓以外の場合、給湯器の設定温度を上げると熱いお湯が出る場合があります。
給湯する場合はやけどに注意してご使用ください。
「ストレーナー」にゴミが詰まっていないか確認する
ストレーナーとは、フィルターとなり水栓内の異物を除去するための部品です。
マイナスドライバーを使ってストレーナーを半時計方向に回して外すことができます。
ストレーナーにゴミが詰まっているかを確かめ、ゴミが詰まっているときは、ゴミを取り除きましょう。
ストレーナーの位置は水栓の種類によって異なるので、詳細は水栓の取扱説明書を参照してください。
「散水板」にゴミや水垢が詰まっていないか確認する
シャワーの散水板には、小さい穴がたくさん開いています。
この散水板の穴にゴミや水垢が詰まっている場合、水の出が悪くなります。
ゴミや水垢が詰まっているときは、歯間ブラシ等を用いてゴミを取り除いてください。
「細さ0.7㎜以下」の歯間ブラシを使用すると散水板の穴の目に入り込み手入れがやりやすいです。
吐水口の水の出が悪い場合は、「整流口」にゴミが詰まっていないか確認する
水栓の水が出る部分には、水の流れを整えるために、目の細かい整流口が組み込まれています。
この整流口にゴミが詰まった場合も、水の出が悪くなってしまうので、ゴミが詰まっているときは、ゴミを取り除きましょう。
シャワーの勢いが弱くなる原因と対処法
以上のポイントを確認した上で水圧がまだ弱い場合は、その他に原因があります。
水圧が弱い原因は複数考えられますが主なものをご紹介します。
止水栓が締まりすぎている
止水栓は水の量や水圧をコントロールする役割があります。
止水栓が締まりすぎているせいで、湯水の流量が少なくなっていることがあります。
その場合は浴槽の近くや洗面所の下にあるシャワーの止水栓を緩める必要があります。
止水栓にハンドルがない場合は、マイナスドライバーを用意し、止水栓を半時計方向に回します。
シャワーを出して水量を確認し、お好みの勢いになったら完了です。
この時にお湯側の止水栓付近は熱いのでやけどにご注意ください。
給湯器の容量不足・給湯器の故障
給湯器の容量が不足しているとシャワーの勢いが弱くなります。
給湯器の容量は、「水温+25℃のお湯を、1分間に放出できる量」を示す「号数」で表されます。
号数が大きいほど、多くの水を早くお湯にすることができます。
適正号数よりも小さいサイズの給湯器を使用すると、複数箇所でお湯を出した場合に、お湯が出る勢いが弱まる場合があります。
お湯を沢山使うご家庭であれば目安よりも一つ上の号数の給湯器を選ぶと良いでしょう。
給湯器の号数と家族構成の目安は以下のようになります。
給湯器号数 | 家族構成 |
10号 | 1人 |
16号 | 1~2人 |
20号 | 2~3人 |
24号 | 4人~ |
家全体の水圧が弱い
元栓が閉まっているせいで、家全体の水圧が弱くなっていることあります。
マンションの高層階は、「重力給水方式」という給水方式を採用しているため、 元々水圧が弱い場合があります。
重力給水方式とは、受水槽に貯まった水を屋上などに設置されている「高架水槽」に溜め、そこから重力式で各部屋に水を送る給水方式のことです。
解決策としてまずは、元栓が閉まっていないか確認してください。
一戸建ての場合は水道メーターの近く、マンションやアパートなどの集合住宅の場合は玄関横のメーターボックスの中にあります。
マンションの高層階にお住まいの場合は、給水方法を変更するのは困難です。
シャワーヘッドを「低水圧用シャワーヘッド」に交換することが、最も適した解決策かもしれません。
マンションの高層階にお住まいでも、低水圧用シャワーヘッドを取り付けるだけで、簡単にシャワーの勢いを強くすることができます。
給湯器を水道直圧式から貯湯式に交換した
水道直圧式のガス給湯器から貯湯式の給湯器に交換したご家庭の方の中で、「シャワーの勢いが弱くなった」と感じている方もいるかもしれません。
貯湯式の給湯器では、500kPa程ある水道水の水圧を180kPa程度まで低くする必要があるため、シャワーの勢いは弱くなります。
シャワーの勢いが改善できない場合、「低水圧用シャワーヘッド」への交換がお勧めです。
低水圧用シャワーヘッドとは?
シャワーの勢いが弱い場合は、勢いを強めてくれる「低水圧用シャワーヘッド」に変えるだけで勢いを上げることができます。
低水圧用シャワーヘッドは通常のシャワーヘッドよりも水が出る部分の総面積が小さく作られています。
「ヘッド自体を小さくする」「散水板の穴の数を減らす」「散水板の穴径を小さくする」等の方式により水の出る量を抑えてシャワーの勢いを高めています。
低水圧用シャワーヘッドの効果と注意点
低水圧用シャワーヘッドにすることで泡切れが良くなります。
泡をしっかりと洗い流してくれるので、シャンプーやボディーソープの残留による肌荒れのリスクを軽減できます。
また、低水圧用シャワーヘッドは、少ない水量でシャワーの勢いを強くすることができるので節水効果が期待できます。
同じ時間使っていても出てくる水の量が減るので、お湯を沸かすガス・電気代などの光熱費削減まで見込める場合があります。
しかし、家全体の水圧が元から高い場合、低水圧用シャワーが水圧に耐えきれずに散水板が外れて壊れてしまう恐れがあります。
節水目的でシャワーヘッドを交換する場合は、節水機能のある「節水シャワーヘッド」を使用することを推奨します。
その他の注意点として、低水圧用シャワーヘッドは吐水量が8L/分以上の場合は取付できません。
水圧に特化したエコキュート
エコキュートの交換時期が近いご家庭やこれから導入を考えている方は水圧に特化したタイプのエコキュートを選択するのも良いかもしれません。
近年では各メーカーから高圧タイプが出てきています。
シャワーの勢いが強いのが好みの方や、水圧が弱まるのが心配な方は高圧タイプがお勧めです。
日立:ナイアガラ出湯(水道直圧)
日立のエコキュートの水道直圧給湯は、プレート式給湯熱交換器で瞬間的にお湯を沸かしながら直接給湯します。
これによりタンク内の水圧の影響を受けずパワフルに給湯が可能になります。
従来の減圧弁方式では、タンクの保護のため減圧弁が圧力を抑えていましたが、その分水圧が落ちてしまっていました。
プレート式給湯熱交換器を使用した水道直圧給湯方式により圧力を落とすことなく給湯ができるようになりました。
シャワー(浴室)や蛇口(台所)など2か所同時に出湯しても給水元圧500kPaの場合、字従来の減圧弁方式に比べ、お湯の量約1.6倍、お湯の圧力約2.9倍となっています。
参考:浴室と台所など同時にパワフル給湯で快適に[水道直圧給湯]:エコキュート:日立の家電品 (hitachi.co.jp)
ダイキン:パワフル高圧給湯
ダイキンのパワフル高圧は、おふろやキッチンなど、2カ所で同時にお湯を使っても快適に使用できます。
十分なシャワー流量があるので、1階でも3階でも快適な使い心地です。
流量が多いので浴槽にお湯を貯める時間も短縮できるのお勧めです。
参考:快適|エコキュート|ダイキン工業株式会社 (daikin.co.jp)
東芝:パワフル給湯
東芝のエコキュートにもパワフル給湯が搭載されています。
給湯圧力を従来機種と比較すると約1.8倍に向上しています。
3階でのシャワーやお風呂の湯はりも安定した水圧でストレスなくお湯が使えます。
また、貯湯ユニットの耐圧性能を強化されていて給湯圧力を従来の高圧タイプと比較し、1.8倍向上しています。
パワフル給湯は、2箇所同時出湯時の出湯量も従来の高圧タイプより30%上がっています。
ご家族がシャワーを使用中に洗い物というときでも、しっかり使用できます。
参考:東芝キヤリア株式会社:ESTIA:ESTIAの特長:フルオート角型タイプ (toshiba-carrier.co.jp)
三菱電機:ハイパワー給湯
三菱のエコキュートのハイパワー給湯は減圧弁設定圧力と圧力ロス抑制に工夫を施すことで出湯量約4L/分アップを実現しています。
従来の高圧力型(減圧弁圧力 180kPa)では使用ができなかった3階でのシャワーがハイパワー給湯タイプであれば13L/分の十分な流量で使用することができます。
参考:ハイパワー給湯 | 機能情報 | 三菱 エコキュート | 三菱電機 (mitsubishielectric.co.jp)
パナソニック:ウルトラ高圧給湯
パナソニックのエコキュートでは従来のパワフル高圧タイプよりもさらに水圧を高めたウルトラ高圧タイプが出ています。
高耐圧貯湯タンクを搭載することによりシャワー湯量がさらに上がっています。
給湯圧力の大幅アップでシャワーの快適性をさらに向上し1階はもちろん2階、3階のお風呂やシャワーも快適になります。
参考:ウルトラ高圧給湯|特長一覧|エコキュート|給湯・暖房|Panasonic
まとめ
今回はシャワーの勢いが弱くなったときの原因と対策方法をご紹介してきました。
簡単に直る場合もありますのでまずは確認をしてみてください。
難しい場合はシャワーヘッドを変えることで解決することもできます。
しかし、圧力が強い給湯器の場合は破損の可能性もあるので注意が必要です。
また、各メーカー高圧タイプが出ており快適にお風呂やシャワーを使用できるようになっています。
交換時期に近付いているご家庭はこのようなタイプに切り替えても良いかと思います。
高圧タイプが搭載されている機種の限定があったりなどメーカーごとに特徴がありますのでよく確認することが必要です。
安心堂ではご自宅に合うエコキュートのご提案をさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。